【パーツ別】車の傷が与える査定額への影響を徹底解説

車は屋外に駐車していることがほとんどです。
ご自身で思い当たる傷もあれば、いつの間にか付いてしまった傷もありますよね。

• 傷ついた車でも買ってもらえる？
• 車の傷やへこんだ車ってどれくらい値段引かれる？
• 見積してもらったけど適正価格？

これから車を売却しようとしている方にとって、愛車の傷が車の買取査定にどのくらい影響するのかはとても気になるところだと思います。

車の傷が与える査定額への影響が気になる方、この記事で全て解決できます。

どのような傷がどのくらい車の査定の減額に影響があるか、パーツ別にわかりやすく解説していきます！

車の傷は買取査定で減額される？

結論から言うと1㎝未満の多少の傷なら査定に影響しません。
ですが、1㎝以上の傷は減額の可能性があります。

どんなところをチェックして値段をつけているかを知れば、傷のある車が少しでも高く買い取ってもらえるか見えてきます。

査定方法について

そもそも車の買取査定はどのように行われるのでしょう？

車の査定は「車種・年式・走行距離」をベースとして、業界の団体の自動車査定協会（JAAI）が定めた「中古車査定基準」に基づいて査定します。

自動車査定協会の基準では次に説明する「車の標準状態」と定められているものから、傷の具合やタイヤの溝の深さなどによって加減点されます。

車の標準状態とは何ですか？

画像引用元；日本自動車査定協会

車の標準状態は以下のような状態です。

これらを満たしていなければ減点されていきます。

見てわかる通り、車の標準状態に当てはめると中古車ならば減点されることが前提です。

そして、自動車査定協会が定めた基準に沿って査定をしてくので、実は各社共通です。

それぞれの車の買取会社の在庫状況や需要や得意分野によって買取価格が変わります。

車の傷の減額基準

車の査定をするとき、減額の対象になるような傷やへこみ、故障の程度によって点数が自動車査定協会の中古自動車査定基準及び細則〔Ⅰ〕によって定められています。

1点＝1000円の減点です。

車の傷やへこみが買取査定に与える影響

傷やへこみは大きさや深さによって、車の標準状態から減額されます。

日本自動車査定協会の中古自動車査定基準及び細則〔Ⅰ〕「車両本体の評価」によると、1㎝未満の傷・へこみは減点対象にならないとされています。

傷の大きさと減額の相場は次の３つに分けられます。

今この記事を読んでいる方は、車の傷が買取査定に与える影響が気になっていると思います。

あなたの車の傷はどこに該当しますか？

１つずつ解説していきます。

爪に引っかからない浅い傷

爪に引っかからない傷の場合、そのほとんどは減額の対象にはなりません。

もしわからない場合は、実際に車の傷を触ってみましょう。

以下のように確かめます。

車の傷に爪が引っかかる感触がありますか？
もし爪に引っかかる感触があれば、次の「再塗装で済む傷」に進んで下さい。

もし車の傷に爪が引っかかる感触がなければ、買取業者も自社ですぐに直せるものが多いです。

なので、減点対象にはなりません。

走っている時の飛び石などで傷がつくことは当たり前のことなので、査定士も十分に理解しています。

ただし、細かく浅い傷でも車のパネルの半分以上を占めるような、広い範囲に渡る傷は要注意。

修理をするのに手間と時間がかかるので、減点対象になることがあります。

再塗装で済む傷

再塗装で済む程度の傷とは爪には引っかかるけれど、塗装のみ剥げいてボディには影響がない傷を指します。

再塗装で済む傷になると、洗車の後などにタオルで拭くと引っかかりを感じます。

１㎝未満のならば減額対象にはなりませんが、１㎝以上なら減額対象になります。

再塗装で済む傷の減額基準は下記を参考にして下さい。

参考：日本自動車査定協会

あくまでも、自動車査定協会が定めたもので、実際の減額は各買取業者で決められるので目安となります。

板金＋再塗装が必要な傷

車のボディまで傷ついている深い傷の場合は、板金と再塗装が必要になり査定額に大きく影響します。

なぜならば、車のボディまで傷ついているような深い傷の修復には専門知識と技術が必要になり、一般の整備士では対応しきれない可能性があるからです。

そのため、専門の工場に車の傷の修復作業を依頼する必要があり、車の買取査定額に影響が出ます。

板金＋再塗装が必要な傷の減額基準は下記を参考にして下さい。

参考：日本自動車査定協会

あくまでも、日本自動車査定協会が定めたもので、実際の減額は各買取業者で決められるので目安となります。

車の減額基準の値段の幅が大きいのは、傷の大きさもありますが、車種にもよります。

外車・高級車の方が査定の減額が大きくなる傾向です。

パーツ別に傷の減額目安を解説

傷の減額を車のパーツ別にみてみましょう。

値段に幅があるのは、簡単に済む傷か交換が必要か、国産車か外車かにもよります。

また、自動車査定協会が定めたものが基準として使われています。

そちらを参考に早見表を見ていきましょう。

フロントバンパー・リアバンパー　傷の減額早見表

車のパーツの中で一番傷のつきやすいところです。

縁石や段差ですり傷や削り傷(ガリ傷)がついたという方も多いですよね。

しかし、バンパーは他のパーツに比べて、比較的修理しやすいところなので、減額度合いも低くなっています。

とはいえ傷ついたときはショックです。

表で解説していきましょう。

ドア・ボンネット・フェンダー　傷の減額早見表

ドア・ボンネット・フェンダーは走行中の飛び石や駐車するときにこすってしまい傷がつきやすくなっています。

一つのパーツが大きいので修理・交換が必要になるのでバンパーよりも減額が大きくなる傾向です。

ルーフ

走行中に傷つくことは少ないですが、駐車場のシャッターや、踏切、雹（ひょう）などで傷つく場合があります。

ルーフは車のパーツの中でも大きく、減額相場が大きくなっています。

ホイール

車のホイールは退色していたり、薄い擦り傷があると減点対象になります。

ホイールの減額の目安は、19以上13以下までのホイール径に応じて5000～12000円の減額と言えるでしょう。

亀裂・変形・腐食、サイズや規格が違うことがあれば、ホイール自体を交換しなければなりません。

車の査定では純正が高く評価される傾向にあります。

工賃が高くつく場合を除き、カスタムをしている場合は純正タイヤとホイールに戻しておきましょう。

内装

内装も査定の基準です。
シートの状態や、匂い、汚れなどがチェックされます。

ニオイはなかなか取れるものではありませんが対処すれば、査定の原点を少しでも防げる可能性があります。

ニオイはなかなか消えるものではありませんが、出来る限りやってみて査定額アップを目指してみましょう！

飛び石

飛び石での車の傷は大きさや深さによって変わります。
1㎝未満の傷であれば影響はありません。
詳しくは、前に説明した早見表で確認してみましょう。

修復歴のある車の買取は減額対象になる

車の査定前には目に見える傷が気になりますが、傷よりも減額対象になるのが修復歴です。

修復歴がついていると大幅な減額は避けられません。

修復歴を解説していきます。

修復歴とは？

日本自動車査定協会によると修復歴は以下のように定められています。

自動車販売店の査定士が日常使用している中古自動車査定基準では、「交通事故やその他の災害により、自動車の骨格等に欠陥を生じたもの、またはその修復歴のあるもの」

参考；一般財団法人日本自動車査定協会東京都支所

つまり、車を軽くぶつけたのではなく、車の骨格が損傷して直したり交換した車を指します。

画像引用元；一般財団法人日本自動車査定協会東京都支所

車の8つの骨格のパーツは溶接で繋がっています。

8つのパーツの内１つでも損傷があれば、車の耐久性に大きな影響が出ます。

ですので、査定の時にも大きく減額対象となります。

減額はどれくらいされる？

修復歴のある車の減額幅は車種によって様々です。

高級車であるほど減額幅が大きくなると言われています。

車の査定額の相場は修復歴なしの車の査定額と比べると、15～50％と言われています。

だからといって修復歴を隠すのは厳禁です。

プロは必ず見抜きますし、後々トラブルになることがあります。

修復歴を正直に申告してくれたから、何とか高く買い取れるよう頑張ろうと思わせる方が利用者にとって絶対にお得と言えます！

車の傷は査定前に修復しない方が良い

車に傷がない方が高く買い取ってもらえるのなら、まずは自分で直したら良いのでは？
と考える方もいると思います。

ですが、直さずにそのまま査定に出す方がお得です。

最近ではネットで傷の修理方法は簡単に出てきます。
しかし、失敗してしまったり、素人の修理であるとバレた場合、自力で直した傷を修復するために、買い取り額が下がってしまいます。

修理費＞買取額になるのでプロに修理を依頼することもやめましょう。

次に解説していきます。

修理費の方が高くなる

修理代金は結構かかります。

3㎝程度の傷では、バンパーで2万円程度、ドアで4万円程度、ボンネットやルーフだと4～5万円程度かかってしまいます。

減額対象が減ることは確かですが、修理費用の方が高くついてしまうので結果的に損してしまいます。

ですので、査定前に傷の修理を自力でしたり、依頼するのはやめておきましょう。

査定後に傷がついてしまったら

査定後、売買契約をしてからは車には乗らない方が良いです。

ですが、次の車が納車されるまでは、通勤や送り迎えで乗らないといけないことがほとんどですよね。

そんな時に限ってぶつけたり、事故をして車に傷をつけてしまったらどうすればいいでしょう？

このような流れがほとんどです。

売買契約後はカーシェアリングやレンタカーも検討してみましょう。

【例外】査定前に修理した方がいいとき

査定前に修理しておいた方が良いケースが下記になります。

自己負担のない場合は査定の減額対象を減らすことができ、お得になる可能性が高いです。

事前に依頼してみるのも良いでしょう。

ただし、無償で修理してもらえる場合でも、修復歴が付く車両骨格の損傷がある場合、大幅に減額となることは避けられません。

傷がある車を少しでも高値で売る方法

傷がついてしまったときはショックですが仕方ありません。

どうすれば少しでも高く買い取ってもらえるかを考えていきましょう。

一括査定に出すという方法もありますが、査定に出す前に自分で出来る査定額アップの方法が3つあります。

では、1つずつ解説していきます。

自分で車の傷の修理をしない

自分で傷の修理をして、逆に目立ってしまったり、素人の修理だとバレてしまうと減額対象になってしまいます。

そして修理屋さんに頼んだとしても、修理費用が査定額を上回る可能性の方が高いので、損をします。

ですので、自力で車の傷を修理することはやめましょう。

洗車や車内の掃除できれいにする

洗車や車内の清掃は大切です。

同じ車種・年式・走行距離の車が目の前あったとして、雑に乗られた車とキレイな車、あなたならどちらを高く買い取りますか？

キレイな車を買います。

車の査定は車内のニオイも対象です。たばこやペットはもちろん、芳香剤の香りも減点対象ですので、無香タイプの消臭剤が重宝します。

需要が高くなる時に査定に出す

では、需要が高くなる時期はいつでしょう？
車がよく売れる時期から考えていきます。
決算期と新生活準備が重なる３月です。
決算の３月に向けて２月頃から値下げやキャンペーンを始めるところが多いようです。

ということは、車買取会社はその前の１月～２月に在庫を確保したいと考えます。
なので、１月～２月が一番高く売れるのです。

次に半期決算の９月です。
なのでその前の７月～８月頃が高く売れる傾向にあります。

とはいえ、傷やへこみが多すぎたり、大きな修復歴で値段が付かないと言われた友人を知っています。

そんな時は次の３つの方法があります。

大手のオークションサイトやフリマサイトでも車の売買は行われています。
トラブルが起きた時が面倒ですが、中間手数料がない分高く売れる可能性が高いとも言えます。

中古車買取会社では値段が付かないと言われても、廃車買取会社なら、車を鉄として買い取ってくれます。

また、部品ごとに販売したりする販路を持っていたりするので高く買い取ってもらえる可能性が高いです。

買い替えの時はディーラーへ下取りに出すこともできます。
ただし、ディーラーは買取で売り上げを立てているわけではありません。

なので、ディーラーへ出すなら、廃車買取会社の方がお得な可能性が高いと言えます。

【まとめ】車の多少の傷は査定に影響しない

車の運転は、免許を取りたての人からベテランドライバ―まで様々で、老若男女問わずします。

車は乗っていれば傷つくものなので、多少の傷なら買取査定に影響しません。