自動車は購入したあとにも様々な維持費用が掛かります。
ガソリン代や毎年の自動車税、車検など自動車の維持費用は想像以上に負担になる場合が多く、少しでも維持費を安くしたいと思う人は多いと思います。
ここでは自動車の年間維持費について詳しい説明と節約方法など紹介します。
維持費の種類は?
自動車に必要な維持費の種類ですが、大きく別けると5種類になります。
- 税金
- 保険料
- 車検整備費用(点検含)
- 燃料代などの走行に必要な費用
- 駐車場費用(自宅に駐車することができない場合)
車検など、まとまった費用が必要になるものや、日々のガソリン代など細かく支出するものなど、自動車の維持費は様々なものがあり、年間で見ると大きな支出に繋がっています。
ですから自動車の維持費を少しでも安く抑えたいと思う人は多いのではないでしょうか。
それでは維持費の内訳を細かく見て、どう節約に繋がるのか見てみましょう。
自動車にかかる税金
自動車の税金には、毎年収める必要がある普通自動車税/軽自動車税と、購入時や車検の時に収める自動車重量税の2種類があります。
自動車税/軽自動車税は、毎年4月1日の時点で車を所有している人に課せられる税金で普通自動車を所有していれば自動車税、軽自動車を所有していれば軽自動車税を納税する義務があります。
自動車税は排気量によって納税額が変わりますが、排気量が大きくなるほど高額になっていきます。
自動車税/軽自動車税の費用明細については、国土交通省のホームページで確認することができます。
他にもエコカー減税など、最近では自動車税/軽自動車税も複雑化して来ていますので、新しく自動車を購入する場合は自動車税/軽自動車税など維持費の事も考えて車種を選択するのも賢い購入方法でしょう。
次にもう1つの自動車重量税に付いて説明します。
自動車重量税は自動車の車重に対して課される税金で、納付は自動車購入時や車検の時に納税するようになっており、納税通知書は届きません。
この自動車重量税は、車重が重い車ほど納税額が高くなっていく仕組みですから、同じモデルでもグレードなどで装備が増えることで車重が重くなり自動車重量税が高くなる場合もあるので、維持費を安くしたい場合はグレードにも注意が必要です。
自賠責保険と任意保険
自動車の保険には2種類あり、法律で加入を義務付けられている自賠責保険と、ご自身で加入する任意保険があります。
それぞれの保険の内容を詳しく説明します。
自賠責保険は、交通事故を起こし他人を死傷させた場合に被害者を救済するため加入が義務付けられた保険で、別名で強制保険とも呼ばれています。
被害者の怪我や死亡時に支払われ、物損事故には適用されず、被害者の車や自身の車や怪我に対しては一切、保険金は支払われません。
また支払われる補償金額は、被害者が死亡した場合において1名に対して3000万円、また怪我の場合は120万円と定められており補償限度額は決して十分と言える保険ではありません。
自賠責保険はの加入は義務付けられているので、加入していないと50万円以下の罰金または1年以下の懲役、そして反則点数6点となり即免許停止処分となる重い罰則があります。
他にも注意したいのは、自賠責保険加入証明書を所持していない場合に30万円以下の罰金が科せられるので必ず自賠責保険加入証明書を車検証などと一緒に車内に保管しておくのが良いでしょう。
任意保険は自動車の所有者が任意に加入する保険で、保険内容によって費用が変わりますが自賠責保険で不足する補償を補填する保険ですから、加入し万が一に備えるべきです。
自賠責保険は被害者が死傷した場合にのみ補償されますが、任意保険は相手の車や自分の車の破損、物損事故のほかに自身の怪我や同乗者の死傷なども補償されるなど、契約内容によって異なりますが自賠責保険よりも広い範囲を補償しています。
事故対応も自分でするのではなく、保険会社が対応してくれますので事故後の被害者との交渉を任せることができます。
任意保険は、保険会社によって保険料や補償内容が違うので加入する際には、数社で見積もりを取ることが望ましいです。
メンテナンス費用
自動車を安全に快適に乗り続けるためには定期点検や整備はとても大切で、定期的に点検を受け、不具合を発見したら早急に整備を行い、調子の良い状態を維持することで自動車を長持ちさせることができます。
自動車の点検や整備について順番に説明します。
車検
自動車は新車登録後から3年、それ以降は2年おきに車検を受けなくてはなりません。
車検費用は車種や使用年数などによって変わりますが、全般的に車検費用の相場は10万円前後で、車の使用期間が長くなると交換する部品が増えるので車検の費用は高くなる傾向にあります。
車検や12か月点検は自動車ディーラーや認証整備工場、ガソリンスタンドにカー用品店などで受けることができます。
車検には法定費用と車検整備費用があり、法定費用には以下の費用が含まれています。
- 自賠責保険料
- 自動車重量税
- 印紙代
法定費用に関しては新車登録時からの年数や車種などによって決まっているので、どこの整備工場やディーラーで車検を受けても費用は同じで変わりません。
しかし印紙代は整備業者によって変わります。
次に車検整備費用には以下の3つの費用が含まれています。
- 定期点検料
- 測定検査料
- 車検代行手数料
ディーラーや車検専門店、認証整備工場やガソリンスタンドなどで車検を受けることができますが、それぞれに車検費用が違いますので注意が必要です。
車検整備費用は、車検を受ける整備工場によって数万円の差が発生する場合もあり、少しでも安く抑えるためには数店舗での相見積もりを取って比較検討すると良いでしょう。
また早期予約で大幅割引をするお店もありますので、ご自身のエリア内で確認しておくと良いでしょう。
修理
最近の自動車は故障がとても少なくなりましたが、それでも乗り続けていると不具合が発生する事もあります。
その場合は早めに修理を行うことが大切で、また傷やへこみは、塗装がはがれる原因にもなりますので特に早期に修理したいところです。
修理費用は修理を依頼する場所によって大きく変わる可能性が高いので、見積もりを数社で取得して同じ内容の修理でも安く済むところを探したいところですね。
また不具合の内容によっては、任意保険で対応できる場合もありますので、確認すると良いかもしれません。
点検・整備
自動車は、オイル交換など定期的に劣化した消耗部品を交換する必要があります。
点検整備で劣化した部品を交換することで、調子の良い状態を維持することができ、車の寿命を伸ばすほか、調子の良い状態で運転できるので安全運転にもつながります。
車種にもよりますが劣化する消耗部品の代表的な種類は以下の通りです。
- エンジンオイル
- タイヤ
- バッテリー
- エンジンオイルフィルター
- クーラント
- ブレーキパッド
- ブレーキオイル
- クラッチ(AT車には無し)
- ワイパー
- エアークリーナー
- スパークプラグ
それぞれ部品によって交換する時期は違いますので、日頃から点検整備を行い消耗した部品を交換する事で調子の良い状態を保つことができ、安全面でも事故防止につながり、また車検で部品交換が減るので車検費用を抑えることもできます。
最近ではメンテナンスパックと称した点検整備費用を先に払い込み、時期が来ると案内してくれるサービスもあります。
メンテナンスパックは整備費用を先に払うので割引率も高く、整備ごとの支払いが無いので便利なサービスですね。
走行時に必要な費用(ランニングコスト)
ガソリンなどの燃料代、駐車場、高速費用など、自動車を日常で使用するのにかかる費用です。
自動車の使い方で必要になる維持費が変わりますので、節約に大きく関与するところです。
燃料費
自動車を走らせるにはガソリンや軽油などの燃料代が必要です。
最近はEV車などの燃料を使用しない車種もありますが、まだまだ主流はエンジン車ですから燃費は家計の負担に直結しているので気になる方も多いでしょう。
燃費は車の使用頻度や使い方、走らせ方などに大きく差が出るのでエコ走行で良い燃費を維持することが節約にもつながります。
平均して普通車で1万円、軽自動車で8000円程度、毎月燃料費として使用してると言われており、近年は燃料費用の高騰でガソリン代が大きな負担と感じている人も多いようです。
軽自動車はエンジン排気量も小さく、車体も軽量なので燃費の良いモデルが多く人気がありますが、軽油を使用するディーゼルエンジン車も海外では人気の高い車種です。
駐車場代
自動車を購入する際に必要なのが駐車場で、自宅に駐車場が無い場合は近隣で月極駐車場などを契約する必要があります。
駐車場の費用は地域や人気のエリアなどによって大きく異なり、都会よりも地方にいくほど安くなる傾向にあります。
車庫証明取得のためにも自宅に駐車場が無い人は、なるべく安い駐車場を見つけて契約する以外に節約する方法はありません。
コインパーキングを駐車場代わり利用する人も居ますが、車庫証明の取得はできませんし、月極料金よりも高額になることが多いのでお勧めできません。
高速料金
高速料金は走行距離に応じて料金が決められており、長距離を走るほど費用は高くなります。
また軽自動車の方が2割ほど安くなっています。
高速料金の支払いは、ETCを利用することで割引が適用されるなどメリットがありますから、高速を利用されることが多い場合はETCを用意しましょう。
ETCは標準装備されてる車種が増えていますが、後付けも可能でディーラーやカー用品店などで購入できます。
ETC割引の代表的な物は以下の通りです。
- 休日割引
- 深夜割引
- 平日朝夕割引
ETCを利用することで高速料金を節約することができます。
※一般レーンも併設されていますが割引はありません。
車種別の年間維持費
自動車の維持費は車種によって違いがあるのは先に述べた通りですが、どれだけ違うのか説明します。
軽自動車
排気量660㏄で軽量コンパクトな軽自動車は燃費の良いモデルも多く、普通自動車と比較しても自動車税や車検費用、保険料などが安く設定されており、コストパフォーマンスは一番良いです。
燃費も良いので燃料代も安く抑えることができますが、ターボエンジン搭載車はとても良く走るのですが燃費の悪さが目立つモデルありますので、購入時に良く確認する必要があります。
年間の自動車税額は1万800円、自賠責保険料が9865円となっています。
軽自動車の年間維持費として、一般的な使い方でおよそ32万円程度が必要と言うデーターもあり、参考になるのではないでしょぅか?
小型普通自動車
排気量660㏄以上、2000㏄未満の車を小型普通自動車として分類されボディーサイズも全長4.7m以下で横幅1.7m、全高2m以下で、環境対策車として排気量が1000㏄前後のモデル多く販売されており、燃費の良さ、乗りやすさなどで人気を集めています。
しかし普通自動車なので軽自動車と比較して自動車税や保険料などは高くなり、年間の自動車税で3万500円、自賠責保険料が1万と5円になっています。
小型自動車の年間維持費として、一般的な使い方でおよそ38万円の維持費が必要と言われております。
普通自動車
排気量2000㏄以上の自動車で、ボディーサイズも大きく移動にはとても楽なモデルが多いのが特徴の車種になりますが、排気量が大きい分自動車税なども高くなります。
年間で自動車税が4万3500円、自賠責保険料1万5円が必要となり、自賠責保険料は小型自動車と同じですが、自動車税は1万円以上高くなっています。
一般的な使い方で年間維持費45万円が必要と言われていますが、最近ではとても低燃費なモデル登場しており、年間維持費の安いモデルも出ています。
他にもハイブリッドモデルも多くあり、購入価格が高額ですが低燃費で維持費が安くなるモデルもあります。
年間維持費の安い車種
自動車の維持費が年間で軽自動車が32万円、小型自動車が38万円、普通自動車が45万円と圧倒的に軽自動車の維持費が安いことがわかります。
車種や年式、メンテナンスの状況、自動車の使い方で大きく変化するので軽自動車がなんでも優れている訳ではありませんので注意が必要です。
自動車の維持費を節約するには?
自動車の維持費を安く節約するためには、どのような方法があるのでしょうか?
- 軽自動車に乗る。
- エコカーなどの燃費の良い車に乗る(ハイブリッド含む)
- 定期点検やメンテナンスを受け快調な状態にする。
- カーリースなどパックになっているプランを契約する。
維持費を節約するためには何よりも燃費の良い自動車に乗ることが最優先であり、燃費が良いと少ない燃料で長距離を走ることができるので維持費の節約に大きく影響を与えます。
燃費の向上に役立つ機能としてアイドリングストップ機能がありますが、この機能は信号待ちなど自動車が停止した際に自動でエンジンがストップし、再び発進するためにブレーキを解除すると自動でエンジンが掛かる機能で、停止時の無駄な燃料消費を抑える機能です。
このアイドリングストップ機能が搭載されたモデルを選択するのも燃費向上につながり節約できます。
維持費の節約では全ての面で軽自動車が一番コストパフォーマンスに優れた車種でしたね。
他にもハイブリッド車などのエコカーを選択することで、燃費はもちろん自動車税の減税など維持費の節約につながりますがハイブリッド車は高価なモデルが多いので購入予算の高騰が難点と言えるでしょう。
まとめ
自動車の維持費には、自動車税を始めとして、燃料費や高速料金、車検などの様々な費用が必要なことが解りました。
維持費は燃費の優れたモデルを選択し自動車税などの安い車種を選択することで大きく節約することができます。
特に軽自動車は燃費から自動車税、車検費や保険料なども普通自動車より安く設定されているので、選択肢としてはとても有効な車種ですから、維持費を節約したいユーザーは軽自動車を選択するのが望ましいです。
エコカーも環境対策車として、燃費も優れ自動車税の減税などを受けることができるので維持費の節約につながりますのでお勧めしたいモデルです。
また、定期的に整備を受けて快調を維持する事も大切で、事故防止の点からも定期的に点検整備を受けて常に調子の良い状態を維持することも大切です。
普段の整備を怠ると、車検時に想像以上に高額な整備費用になるケースもあるので、普段から整備を行い維持費を節約しながら安全で楽しいドライブを楽しんで頂ければと思います。