自動車生活には必要不可欠なエンジンオイルの交換。
しかし一概にエンジンオイルといっても様々な種類、特徴があります。
そこで本記事では、エンジンオイルの種類と選び方、さらには交換方法まで解説したいと思います。
是非参考にしてください。
エンジンオイル交換とは?

自動車のエンジンに使用されるオイルをエンジンオイルと一般的に称しています。
このエンジンオイルはエンジンを潤滑に作動させるために用いられていますが、使用していくと劣化し汚れて行くので性能を発揮することができなくなり、エンジンに悪影響を与えるため定期的なオイル交換が必要です。
定期的にエンジンオイルを交換することで自動車のコンデションやエンジン性能を維持をすることができるので長く愛車を使用したいユーザーには必然のメンテナンスで、自動車メンテナンスの基本とも言われています。
オイル交換しないとどうなる?

エンジンオイルは使用していると徐々に劣化して、その性能を発揮することができなくなることでエンジン保護ができなくなります。
結果、エンジン出力の低下やオーバーヒート、エンジンからのノイズ発生やエンジンの耐久性の悪化など様々な悪影響を与え、最悪の場合にはエンジンが破損します。
定期的にエンジンオイルを交換することで、エンジン内部に発生するスラッジを除去し、長くエンジン性能を維持しエンジンを守ることが出来るのです。
愛車を守るためにもエンジンオイル交換は必須の自動車メンテナンスです。
次に数あるエンジンオイルの種類について説明します。
エンジンオイルの種類
エンジンオイルと言ってもたくさんの種類があり、カー用品店などで実際にどのエンジンオイルを選べば良いのか悩んだ方も多いと思います。
エンジンオイルは”規格等級(グレード)”によって大きく別けられ、粘度やベースオイルの違い、ガソリン用からディーゼル用など細かく規定があります。
自分の車に合ったエンジンオイルはどれなのか、どの種類を選ぶのがこれから詳しく説明していきます。

規格等級(グレード)
この規格等級は一般的にグレードと言われており、「オイルがどの程度の負荷に耐えることができるのか」を明確に規格等級として分けており、オイルの持つ性能を表しています。
つまり規格等級が高いオイルほど性能の良いオイルとなります。
このオイル性能を表す”規格”には、「API規格」と「ILSAC(GF-5)規格」の2種類があります。
API規格とは
米国石油協会(API)とSAE、アメリカ材料試験教会(ASTM)によって定められた規格で、「SN」や「SM」、「CN」など2文字の英語表記で表します。
オイルグレードで一番中心になっている規格と言えます。
ILSAC規格とは
日米の自動車工業会が制定指定する規格で、先のAPI規格に更に省燃費性能を加えた規格となっており、現在の最新規格は「GF-6」が使用されています。
JASO規格とは
日本自動車規格が制定した規格で、4輪、2輪、ディーゼル用に分別しています。
オイル粘度
エンジンオイルが、どの温度帯で最適に使用できるのかを表しており、気温によってもエンジンオイルの最適な粘度は変わります。
ベースオイル
規格等級や粘度の他にもエンジンオイルの性能に大きく影響するのがこのベースオイルです。
ベースオイルはエンジンオイルの骨格となるもので、どの成分由来のオイルなのかを表しており「鉱物油」、「部分合成油」「化学合成油」と3つの種類があり、エンジンオイルはこのベースオイルに各種添加剤を加えて製造されています。
鉱物油
石油を原料としたベースオイルで、価格が安く一般的なエンジンに向いているオイルです。
部分合成油
化学合成油と鉱物油を混合したベースオイルで、コストパフォーマンスに優れながら性能の良いオイルなので現在の主流となっています。
化学合成油
化学的に合成されたベースオイルで、エンジンオイルの基本となる炭化水素を化学合成しており、酸化安定性い優れ、高い粘度指数を持っているオイルです。
負荷の高いハイパフォーマンスなスポーツエンジンやターボエンジンに最適な高性能なベースオイルですが、価格が高いのが難点です。
これらの他にもガソリンエンジン用とディーゼルエンジン用にも分別されていますが、最近では両方に対応するエンジンオイルも登場しています。
では、実際にエンジンオイルの缶などに表記されているグレードなどの見方を説明します。
例)5Wー50 SN このような表記されたAPI規格のオイルは?
低温時の粘度=寒さへの耐性能力
Wはwinterの頭文字で5W とは、低温時のオイル粘度を表しており、その数字が小さいほど低温時でも固まりにくいエンジンオイルを表しています。
0Wは-35℃、5Wは-30℃、10Wは-25℃まで使用可能です。
高温時の粘度でオイルの柔らかさ
50は、高温時の粘度を表しており、数字が大きくなるほど高温時に固くなるオイルを表しています。
API規格の表記
SNはAPI規格による表記で、A=ガソリンエンジン用・C=ディーゼルエンジン用を表しており「CN」などと表記されています。
Nはアルファベットは、後ろに進むほど新しい規格に合致していることを表し高性能であることを表してますから、現在はNが最高規格となっています。
このようにエンジンオイルは様々な規格に沿って製造され、その規格を専用の表記方法で缶などに記載しています。
オイルの規格等級や表記の見方が解ったので、次は具体的なオイルの選び方を説明していきます。
どのエンジンオイルを選べば良いのか

たくさんの種類があるエンジンオイルですが、自分の愛車に使用する場合、何を基準にしてオイルを選べば良いのか、迷ったことがある人も多いはずです。
また、これから初めてオイル交換をしようと考えているユーザーさんもどれを選んで良いのかわからないと思った方もいるでしょう。
数あるエンジンオイルから、何を基準に選べば良いのか、何が良くて何が悪いのか詳しく説明します。
柔らかなオイルを使用して高燃費で走る
軽自動車やコンパクトカー、ミニバンなど一般的な性能の自動車には、比較的んい柔らかなエンジンオイルを使用することで高燃費で走ることができます。
「5Wー20」などの柔らかいエンジンオイルを使用すると燃費にも貢献するのでおススメのオイルです。
柔らかいオイルは普段使いに最適で、日常の使用ではエンジンに負荷が余りかからない必要十分と言えます。
ハイパフォーマンスなエンジンには高性能オイル使用
大排気量のターボ車、高回転までエンジンを回すスポーツエンジン搭載車、他にも高回転までエンジンを駆使して走行するユーザーなどは、「0Wー50」や「5Wー50」と言った固めのオイルでエンジンを保護すると良いでしょう。
外車などは固めのエンジンオイルを指定されたモデルがあります。
寒冷地などでは低温時に低粘度なオイルの使用がおススメ
東北や北海道などの寒冷地では、低温時に粘度が低い柔らかいエンジンオイルを使用すると良いでしょう、具体的には「5Wー30」などの表記がされたオイルが良いでしょう。
低温時でもオイルが柔らかく固まりにくいので、燃費にも貢献してくれます。
取扱説明書に使用に適したオイルが表記されている
その車に合致したエンジンオイルは、愛車の取扱説明書(オーナーズマニュアル)等に記載されていますので、一度確認してみると良いでしょう。
取扱説明書には、その自動車に最適なエンジンオイルの種類が記載されていますので、そのオイルを基準に選択するのが良いでしょう。
純正オイル以外のオイルでも大丈夫
自動車の取扱説明書を見ると、各メーカーが販売している純正オイルの使用を推奨していますが、純正以外の社外品オイルを使用しても全く問題はありません。
もちろんメーカー純正オイルの使用もおススメできます。
社外品のオイルを使用する場合に注意したいのは粘度を大きく変更しない方が良いと言うことで、あまり固いオイルを使用すると燃費の悪化につながり、エンジン性能の発揮ができなくなるケースもあります。
エンジンオイルを選ぶ際には、車の性能に合ったオイルを選ぶことが良く、特にオイルの粘度は燃費に影響します。
他にもユーザーの車の使い方も考慮する必要があり、日常的な利用で、週末のショッピングやお出かけなどに車を多用する場合は鉱物油ベースのオイルでも十分、エンジンを保護してくれます。
長距離走行や高速利用が多く高回転を多用するなど、エンジンに負荷を掛ける使用の場合は、化学合成油ベースの性能の良いオイルを選択することが望ましいです。
また、どちらの使い方でも定期的なオイル交換を行うことが大切です。
オイル交換の注意点

エンジンオイルは使用することで劣化していくので、定期的な交換が必要と何度も説明していますが、では具体的な交換はどのようにすれば良いのでしょうか。
ここではオイル交換について詳しく説明します。
オイル交換をする時期
定期的なオイル交換が必要なのはわかりました、しかし「オイル交換をするタイミングは何時なんだろう?」このような疑問を持つユーザーは少なくありません、
オイル交換の時期タイミングは走行距離や交換してからの経過した時間によって算出されることが多いです。
車種によるエンジンオイルの交換サイクルは、実は車の取扱説明書に記載されていることが多く、メーカー推奨の交換サイクルを守ることがオイル交換の基本となります。
多くの交換サイクルは走行距離を目安にしており5000㎞走行するとオイル交換を推奨しているケースが多く、中にはハイパフォーマンスエンジン搭載車やターボ車などは3000㎞で交換を推奨している車種もあります。
輸入車などは10000㎞で交換を推奨している場合もあります。
実際にはユーザーの車の使用方法によってオイル交換のタイミングは変わるので注意が必要です。
例えば・・・
日常の買い物や通勤や通学での使用がメインとなる場合、実は市街地での走行はゴーストップが多く、走行距離も短いのでエンジンには大きな負担となっていますので5000㎞よりも少し早めの交換をする方がエンジンには良いでしょう。
逆に高速道路や郊外の空いている道路を走行することが多い場合は、エンジンの負荷が低く、一定の回転数で安定して走行してる状況ならオイル交換は5000㎞でもエンジンには問題ないと言えるでしょう。
また軽自動車はエンジン排気量が660㏄と小さいので、高回転までエンジンを回して走行しますので、オイルの劣化も進みますから早めの交換が良いです。
このように車の使用方法によってエンジンオイルの交換時期は変わりますので、普段どのような車の使い方なのかで交換時期を決めると良いでしょう。
オイルフィルターの交換時期

エンジンオイルは、エンジン内部を循環してエンジンの保護と汚れを取り除く役目をしていますが、そのオイルを綺麗にするためのフィルターが付いています。
これをオイルフィルターと言います。
オイルフィルターも消耗品なので定期的に交換が必要で、オイル交換2回に1回は交換することが望ましく、自動車の取扱説明にも交換サイクルは記載されていますが最低でも1年に1回は交換したいです。
フィルターは純正部品のほかに社外品のありますが、どちらの使用でも問題ありません。
整備工場やお店でオイル交換する
オイル交換は、整備工場、ディーラー、ガソリンスタンドや大手カーショップなどで交換することができます。
一番簡単なのは購入したディーラーなどので交換する方法で、電話やネットなどでオイル交換の予約をすれば交換できるでしょう。
他にも行きつけのガソリンスタンドなどでも交換することができますが、セルフスタンドの場合は対応していない事もあるので注意が必要です。
大手カーショップなどでも交換可能で、週末などは愛車のメンテナンスとしてレジャー感覚でオイル交換をしに来ているユーザーも多いです。
いずれも事前に予約しておくと作業が早くスムーズに行うことができますので、ホームページなどで調べてみると良いでしょう。
オイル交換の費用
オイル交換の費用は、使用するオイル代金の他に交換作業工賃などが必要になりますので注意が必要です。
作業工賃はお店によって変わりますので、予約時に確認しておくと良いでしょう。
大手カー用品店などは、会員登録すると作業工賃が無料になるところも多く、安価で交換したい場合は大手カー用品店がおススメです。
自分でオイル交換する

オイル交換はユーザー自身が行うこともできます。
自分で行い場合には専用の工具や知識が必要になりますが、自動車好きのユーザーなどは自分で交換を楽しんでいることも多いようです。
費用効果としてはオイル代金のみで済むので一番安い方法ですが、交換後の廃油処理など法令に基づいて行う処理方法などもあるので、知識を持ったユーザー向けの方法です。
交換手順
自分でオイル交換を行う場合、上抜き方法が簡単なのでおすすめです。
ここでは上抜きで交換する方法の動画を紹介します。
※上抜き方法には「上抜き用のオイルチェンジャー」が必要です
自分でオイル交換する場合、専門知識の他にも、専用の工具が必要になりますのでよほど詳しいユーザー以外はディーラーや整備工場などで依頼するのが良いでしょう。
それでも自分で行いたい方は工具を揃えて、楽しみの1つとして行ってみて下さい。
まとめ
エンジンを保護している大切な役割を持つエンジンオイルには、3つの種類があり化学合成油や部分合成油、鉱物油として分別され、それぞれに特徴を持っていることが解りました。
車によって粘度や交換サイクルが指定されており取扱説明書に記載されその内容が基準になることも解りました。
その中でユーザーの自動車の使い方でオイルは変わることも解りました。
オイル交換はメーカー指定ではない限り5000㎞ごとに最低でも交換しておくのが望ましいと言えるのかも知れません。
愛車のエンジンを守るため定期的なオイル交換を行い、いつまでも調子の良い愛車でドライブを買い物を楽しんで頂きたいと思っています。