住民票は、市区町村ごとに住民基本台帳法に基づいて作成されていて、住民一人一人に関する氏名や住所などを記録している帳票のことです。
公的な本人確認書類として、使用することができます。
廃車手続きをする場合は住民票が必ず必要というわけではありません。
この記事では廃車手続きに
住民票が必要なケースや、住民票を取得するときの注意点について
丁寧に解説していきます。
廃車手続きでは住民票は必要?
転勤族で引っ越しが多いのですが、車の廃車手続きはどうなる?
バイクを廃車にする時住民票は必要?
廃車手続きの住民票に関する疑問はこの記事で全て解決できます!
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廃車手続きに住民票が必要なケース
廃車手続きをする場合、住民票が必ず必要というわけではありません。
廃車手続きでは、普通自動車で以下書類が必要です。
永久抹消 | 一時抹消 |
車検証 自動車リサイクル券 ナンバープレート(前後2枚) 印鑑証明書と同じ実印 印鑑証明書 【以下は運輸支局で記入する書類】 永久抹消登録申請書 手数料納付書 自動車税・自動車取得税申告書 | 車検証 ナンバープレート(前後2枚) 印鑑証明書と同じ実印 印鑑証明書 【以下は運輸支局で記入する書類】 一時抹消登録申請書 手数料納付書 自動車税・自動車取得税申告書 |
住民票が必要なケースは、廃車手続きの必要書類の中で、車検証の住所と印鑑証明書の住所が異なる場合です。
住所の繋がりを証明するために、追加で住民票を取得する必要があります。
ただし、注意すべきことは該当の車を所有している間の引越しの回数です。
- 引っ越しが1回の場合は、住民票を用意する。
- 引っ越し2回以上の場合は、「住民票+住民票の除票」もしくは、「戸籍の附票」を用意する。
- 同一市区町村内で引っ越しを2回以上している場合は、居住歴付きの住民票を用意する。
以下で解説していきます。
引っ越しが1回の場合
該当する車を所有している間に、引っ越しを1回して、車検証と印鑑証明書の住所が異なる場合は、廃車手続きに住民票が必要です。
廃車手続きは、原則として所有者の名義でしか行うことができません。
所有者であるかの本人確認は、車検証と印鑑証明書の住所を照らし合わせて行います。
住所が異なる場合、本人ということを証明するために住民票が必要となります。
引っ越しが1回ならば、住民票に前住所(居住歴)が書いてあるので証明することができます。
引っ越し後に車検を受けたことがあります。
住所は変更されてないのでしょうか?
はい、車検を通したからと言って住所は自動的には変わりません。
もし、車検証に記載されている所有者の住所を変更したい場合は、事前に住民票を取得し、管轄の運輸支局(陸運局)へ車検証と一緒に担当窓口へ持って行き、手続きを行います。
引っ越しが2回以上の場合
引っ越しを2回以上している場合は、住所の繋がりを証明する方法は2つあります。
- 戸籍の附票を取得する方法
- 住民票+住民票の除票を取得する方法
2つの方法がありますが、戸籍の附票を用意する方法が一般的です。
自治体によっては同一の市区町村内で引っ越しした場合は、転居の履歴が保存されていない場合があります。
その場合は、住民票を交付してくれる窓口などで、廃車手続きで車検証に記載の住所から印鑑証明書に記載の住所まで引っ越しの履歴が繋がるような別の書類を発行してもらえないか相談してみましょう。
軽自動車の廃車手続きする場合は、複数回引っ越ししていても戸籍の附票や住民票の除票は不要です。
ただし、本人確認のために住民票が必要となります。
では、2つの方法について解説します。
戸籍の附票を取得する
戸籍の附票は、本籍地の市区町村で戸籍の原本と一緒に保管している書類です。
戸籍が作られたり、入籍してからの現在までの住所の履歴が全て記録され、記載されています。
戸籍の附票は本籍地でしか取得することができませんが、郵送でも請求できます。
参考サイト:大阪市HP
戸籍の附票があれば2回以上引っ越しをしていても、1枚で住所の繋がりを証明できるので、費用も抑えられ、手間もかかりません。
ですので、2回以上の引っ越しの場合は戸籍の附票を用意する方法が一般的です。
住民票+住民票の除票を取得する方法
住民票+住民票の除票で住所の繋がりを証明することもできます。
住民票の除票とは、他の市区町村へ引っ越ししたり、亡くなった時などに、住民登録が消された住民票のことを「住民票の除票」と呼びます。
住民票+住民票の除票で住所の繋がりを証明する場合は、複数ヵ所の役所へ行かなければなりませんが、前住所の役所が近い場合などはおすすめです。
住民票は現住所の役所、住民票の除票は前住所の役所で取得することができます。
住民票の除票にはどこから転入してきて、どこへ転出したかが記載されているため、住所の繋がりを証明することができます。
同一の市区町村で引っ越しした場合は、履歴付きの住民票を請求します。
住民票の取得方法
住民票の取得方法は3つあります。
- 市区町村の役所で発行してもらう
- 郵送で請求する
- マイナンバーカードを使ってコンビニで取得する
都合の良い方法で住民票を取得しましょう。
市区町村の役所で発行してもらう
役所で発行してもらう場合以下のものを持参します。
住民票を取得するときの役所への持ち物
本人確認書類 | 身分証明書(マイナンバーカード・運転免許証・パスポート等)を持参します。 |
手数料300円 | 発行手数料が300円かかりますので、現金が必要です。 |
委任状(代理人が取得する場合) | 代理人が行く場合は委任状が必要です。 委任状は各自治体のホームページからダウンロードできます。 事前に準備しておくとスムーズです。 |
役所では「住民票の写しの交付請求書」(「住民票等の請求書」など自治体によって呼び方は様々)を記載します。
「住民票の写しの交付請求書」の記入の仕方は役所の窓口で教えてもらえます。
「住民票の写しの交付請求書」はダウンロードできる自治体もあります。
事前に準備したい場合は各自治体のホームページから利用しましょう。
郵送で請求する
役所へ行けない場合は、住民票は郵送で請求することもできます。
準備するものから紹介します。
本人確認書類等のコピー | 運転免許証やパスポート、マイナンバーカードのコピーを用意します。 |
住民票の請求書 | 各自治体のホームページからダウンロードできる場合が多いです。 |
交付手数料分の定額小為替証書 | 郵便局で手数料分の「定額小為替証書」を購入する。 定額小為替証書の購入は平日しか受け付けていません。 現金での購入となり、1枚当たり200円の手数料が必要です。 |
返信に必要な切手を貼りつけた返信用封筒 | 枚数によっては、思っている以上に切手代が必要になる場合があります。 役所に事前に確認してみましょう。 |
以上を封筒に入れて役所の郵送担当窓口へ送付します。
引っ越しを2回以上した場合の、戸籍の附票も郵送で請求することができます。
その場合、戸籍の附票の請求書も別途必要です。
郵送の場合は、返信されるまでに1週間~2週間程度と時間がかかる場合があります。
自治体によっては郵送での請求方法が異なる場合もありますので、事前にご確認下さい。
オンラインやコンビニで住民票を取得する
マイナンバーカードがあれば、自治体の行政オンラインシステムでの申請やコンビニやスーパーなどのマルチコピー機から住民票を発行することができます。
ただし、マルチコピー機での住民票発行は前住所を記載することはできません。
前住所が必要な場合は、行政のオンラインシステムを利用しましょう。
オンラインシステムで発行する場合も手数料が必要です。
支払い方法は自治体によりますが、クレジットカード、または指定されたID決済などで行います。
その場合は、住民票の発行手数料+送付料が必要です。
発行手数料は自治体によって窓口やコンビニよりも安い場合もあり、送料を含めても窓口へ行くよりも安価で取得できる可能性があります。
マイナンバーカードを読み取る工程があるので、パソコンを利用するよりも、スマートフォンから申し込みをする方が、スムーズに請求ができます。
郵送で送られてくるので、届くまでの目安は1週間程度です。
コンビニやスーパーのマルチコピー機での発行する場合、手数料は200円です。
マイナンバーカードを持参し、コピー機の手順に沿って発行しましょう。
コピー機からその場で発行されます。
利用する場合はマイナンバーカードに設定した4桁の暗証番号の入力が必要です。
暗証番号を3回間違ってしまうとロックがかかってしまうので、入力時は注意しましょう。
前述しましたが、マルチコピー機で発行する住民票には前住所を記載することはできません。
廃車手続きで住民票を取得するときの注意点
廃車手続きで住民票を取得する目的は、車検証に記載されている住所と印鑑証明書の住所をつなげることです。
窓口で住民票を発行してもらう際、不安な時は車検証を持参することもおすすめです。
廃車手続きで住民票に記載する項目
住民票には記載される項目と記載の選択を出来る項目があります。
住民票に記載される項目は、氏名・生年月日・性別・現住所です。
住民票への記載を選択できる項目は、本籍地・前住所・世帯主名・世帯主との続柄・マイナンバー・筆頭者です。
参考サイト:大阪市総合コールセンター なにわコール
廃車手続きで住民票が必要な場合以下のポイントを押さえて取得すれば、スムーズに進みます。
- 車の所有者個人の住民票を取得する
- マイナンバーの記載は不要
- 住民票には、氏名・生年月日・性別・現住所が記載される
- 住所の繋がりを証明する場合は前住所(居住歴)の記載を選択する
- 本籍地・世帯主名・世帯主との続柄・マイナンバー・筆頭者の記載はなくて良い
住民票の有効期限は3か月
慣れない手続きで不安が故に、早めに書類を取得しておこうと考える方もいるかもしれません。
ですが、廃車手続きで住民票を使用する場合、住民票の有効期限は発行日から3か月です。
また、印鑑証明書の有効期限も発行日から3か月です。
有効期限を過ぎると取得しなおさなければなりませんので、役所で必要書類を取得するのは、後回しでも良いでしょう。
2回以上の引っ越しには戸籍の附票を用意する
2回以上の引っ越しをした場合は、住民票を複数枚用意するよりも、戸籍の附票を1枚用意する方が便利です。
戸籍の附票は本籍地の役所窓口で発行してもらうか郵送で請求します。
コンビニなどのマルチコピー機での発行もできますが、自治体によっては対応していないところもあります。
戸籍の附票であれば、1枚で住所の履歴を証明することができるので効率的です。
ただし、戸籍の附票で住所の履歴を全て得られるのは、引っ越しの際に戸籍の移動を行っていない場合のみとなります。
女性に多いケースなのですが、学生時代に実家住まいでA市に住んでいて車を購入し、就職後転勤などでB市、C市に住み、結婚を機にD市に引っ越し、本籍地もD市に移した。
車検証の住所はA市・印鑑証明書の住所はD市となっている場合。
現在の住んでいる本籍地D市で戸籍の附票を取得しても、B市・C市の住所履歴を得ることはできません。
このような場合は、A市で除籍の附票を取得する必要があります。
除籍の附票はマルチコピー機で発行することはできないため、自治体のオンラインシステムか、郵送で請求することになります。
戸籍の登録を行った自治体で、戸籍の附票または除籍の附票を発行しなければ、すべての居住歴を得て、住所の繋がりを証明することができません。
どうしても住所が繋がらない場合
住民票の保存期間は法改正によって現在150年間保存されることになりましたが、平成26年(2014年)3月31日より前に除票になったものの保存期間は5年間です。
2014年3月31日以前に転出した記録については保存期間が過ぎて廃棄されているため、取得できません。
参考サイト:大阪市HP
平成26年3月31日より前に引っ越しをした履歴は残っていないため、発行できない可能性があります。
どうしても車検証と印鑑証明書の住所の繋がりを証明することができなかった時は、「誓約書」という書類があります。
引用:国土交通省
揃えられるだけの書類を用意し、5年以内の住所歴は住民票や戸籍の附票等で繋がりを証明した場合のみ利用できます。
車検証の所有者名がディーラーやローン会社の場合は要注意
そもそも車の名義は所有者と使用者が同じでしょうか?
廃車手続きの権限を持っているのは、原則として車検証に記載された所有者です。
車検証の所有者欄の名前がディーラーや、信販会社(ローン会社)の場合「所有権解除」の書類が必要となります。
運輸支局に使用者の書類を提出することはありません。
しかし、ディーラーやローン会社から「所有権解除の書類」を取得するために、使用者の住民票の提出を求められます。
当然のことながら、ローンを完済していなければ廃車手続きをすることはできません。
バイクや原付の廃車に住民票は必要?
原付の廃車手続きは、市役所で行います。
窓口でも郵送でも手続きができますが、自治体によって異なりますので、確認してください。
126cc以上のバイクの廃車手続きは管轄の運輸支局です。
バイクの廃車手続きで住民票が必要なケースは、管轄外の運輸支局(陸運局)で廃車手続きをする場合のみとなります。
125cc以下のバイク (原付) | 住民票は不要。身分証明書の為の運転免許証のコピーで代用できる。 もし運転免許証がコピーできない場合は住民票でも良い。 |
126~250cc未満のバイク | 住民票は管轄外で廃車手続きをする場合のみ必要。 |
250cc以上のバイク | 住民票は管轄外で廃車手続きをする場合のみ必要。 |
いずれのバイクを廃車手続きする場合にもナンバープレートの返却が伴いますので、該当するバイクを運転していくことはできませんので注意してください。
【まとめ】廃車手続きの住民票の取得は引っ越しの回数による
- 車検証に記載の住所と印鑑証明書に記載の住所が異なる場合に住民票が必要となる
車の所有者の本人確認は車検証と印鑑証明書を照らし合わせて行うため、異なる場合にのみ必要です - 引っ越しを1回している場合は住民票が必要となる
住民票には1つ前の居住歴が記載されるため、該当する車を所有している間に引っ越し1回していれば、住民票で住所の繋がりを証明することができます。
ただし、前住所が必要な場合はコンビニなどのマルチコピー機では発行できませんので役所の窓口などで取得しましょう。 - 引っ越しを2回以上している場合は戸籍の附票が必要となる
これまでの居住歴が全て記載される戸籍の附票は2回以上引っ越ししている場合に便利です。
ただし、本籍地を移動していない場合に限ります。
窓口で取得する場合は、本籍地の窓口でしか取得できません。自治体によってマルチコピー機で全国どこでも発行できます。