タイヤの適正空気圧とは?空気圧が不足したらどうなるの?

自動車の前輪タイヤがアップで写っている画像

自動車が走行する上に置いてとても大切なのがタイヤ。

しかし普段の生活の中であまり気に掛けられず点検も行われていないことが多いのではないでしょうか?

タイヤがパンクしてなければ問題ないと思っている人も多いかもしれません。

実はタイヤも点検して欲しいことがあります。

今回はタイヤに関する大切なお話です。

タイヤは空気を入れることで膨らみ、使用することができますがこの空気の量を空気圧と呼んでおり、タイヤの持つ性能を発揮させるためにとても大切な役割を担っています。

ユーザーの中には空気圧って何?と思う人も居るかもしれません。

ここではタイヤを正しく使用するために重要な空気圧に付いて詳しく説明します。

適正な空気圧は?

タイヤの空気圧には適正空気圧と呼ばれ、車種ごとにメーカー指定した空気圧のことでそれぞれの車種ごとに適正空気圧があります。

メーカーが定めるタイヤの適正空気圧は概ね、運転席のドアや燃料給油口などに貼られている空気圧表示ステッカーに記載されており、その他にも車両の取扱説明書などにも記載されています。

適正空気圧は、同じタイヤを使用していても装着する車両によって細かく違うので、愛車の空気圧はどの程度なのか確認しておくと良いでしょう。

タイヤの空気は抜ける!!

パンクしたタイヤの画像

タイヤの空気圧は一度点検したから良いのではなく、実は少しずつ抜けて空気圧が下がります。
長期間、車庫に保管していた自動車のタイヤがパンクをしたように空気が抜けて潰れている状態を見たことがありませんか?

これはタイヤの構造上に起こる自然現象で、走行してもしなくてもタイヤの空気は抜けていきますので、およそ1か月のあいだで全体量の5%ほど抜けていると言われています。

ですから、1か月に一度はタイヤの空気圧の点検を行い不足していれば空気を補充して、常に適正空気圧を維持することが大切です。

タイヤの空気圧が不足していくと、下記のような現象が起こり、場合によっては事故に繋がる恐れもあるので注意が必要です。

空気圧不足のよるタイヤへの負担

タイヤの摩耗が早い

タイヤの空気圧が減ってくると、タイヤと路面との接地面積が大きくなるのでタイヤの両肩が早く減る変摩耗が起こりますから、騒音の原因や振動が発生したりする他、タイヤのの寿命も短くなります。

燃費が悪くなる

タイヤと路面の接地面積が大きくなることで、転がり抵抗が増えるためエネルギーを多く使うことになりますから燃費が悪化します。

走行安定性が悪くなる

タイヤの空気圧不足により、歪んで変形することで本来のタイヤ剛性が確保できず、ハンドルが重くなったり、左右にハンドルが取られたり、カーブが曲がりにくいなどの現象が起こる可能性があるので、とても危険です。

バーストする可能性が高い

空気圧不足で走行すると、タイヤが大きくたわんでスタンディングウェーブ現象が起こる他、転がり抵抗の増大でトレッド剥離が起こるヒートセパレーション現象など、タイヤ自体がとても高温になり、最悪の場合はタイヤが破裂するタイヤバーストを引き起こす原因になりとても危険です。

乗り心地の低下

タイヤは空気圧を適正に保つことで、安全に走行が可能になる他にも、乗り心地を良く保っていますから、空気圧が不足するとクッション効果が減るので乗り心地は悪化します。

ハイドロプレーニング現象が起こる可能性が高まる

空気圧が低い状態では、雨天時にタイヤの溝によって掻き出される雨水が正常に掻き出されなくなるので、タイヤが水の上に乗ってしまい滑る現象が起こりやすくなります。

特に高速走行時に発生しますので、この現象が起こるとハンドルもブレーキも全く効かなくなるので非常に危険です。

以上のようにタイヤの空気圧が不足した状態で走行することは、全くメリットは無く交通事故に繋がることも多く安全面で非常に危険な状態になりますから注意が必要です。

それではタイヤの空気圧を管理するにはどうすれば良いのでしょうか?

タイヤの適正空気圧の管理ポイント

タイヤの空気圧を測る圧力計のイラスト画像

タイヤの空気圧を点検することは決して難しいものではありません。
誰でも簡単に点検することができまます。

タイヤの適正空気圧を管理するポイントを説明します。

適正空気圧を知る

愛車の適正空気圧がどの程度なのか知らないと管理ができませんので、適正空気圧がどの程度なのか知る必要があります。

タイヤの適正空気圧はメーカーや車種ごとに設定されているので、必ずドア付近などに貼られているラベルステッカーや取扱説明書で適正空気圧を確認して理解しておきましょう。

定期点検を行い補充する

タイヤ空気圧は、タイヤが冷えている状態でエアーゲージを使用し適正空気圧の状態かを確認し最低でも1か月に1回は定期的に点検を行い、不足していれば適正空気圧を補充してください。

また、タイヤは走行すると熱膨張により暖まる性質があるので、暖まったタイヤ内の空気圧は高くなる傾向があり、走行前の冷えた状態で計測しないと正しい空気圧になりませんので、必ず冷えた状態で空気圧を計測しましょう。

タイヤのエアバルブやキャップを点検する

タイヤのエアバルブは、長く使用しているとゴム部分が劣化するので空気漏れの原因になる場合がありますので、タイヤ交換時にはエアバルブも一緒に交換しておくと安心感が高まります。

また、バルブキャップが破損や紛失している場合は必ず新品のバルブキャップを装着し、エアバルブを保護しましょう。

空気圧を点検する際には、エアバルブ周辺からも空気漏れが無いか確認しておくと良いでしょう。

空気圧の過多にご注意

ユーザーの中には空気圧を適正よりも多めに補充して、点検頻度を下げているケースがありますが、これもタイヤに大きな負荷が掛かるのでやめましょう。

空気圧を適正圧以上に多くいれると・・

変摩耗の発生(センター摩耗)

タイヤが膨らみ過ぎてタイヤセンターだけが減る変摩耗が起こり、タイヤと路面の接地面積が減ることでブレーキの効きが悪くなったり、ハンドルが取られるなどの現象が起こります。

乗り心地の悪化

タイヤを強く張り過ぎることでタイヤの持つクッション性を失い、乗り心地が悪化します。

タイヤ寿命が短くなる

タイヤのセンターだけが異常に減ってしまうなどの変摩耗が進行することでタイヤ寿命が短くなってしまいます。

タイヤバーストが起こりやすくなる

タイヤが空気によって張り過ぎるので、タイヤを構成する素材がダメージを受けることにより強度が低下しバーストする危険性が高まります。

以上のようにタイヤにたくさんの空気を入れると良いわけではなく、適正空気圧を保ち、正しく使用する事で安全性が高まりタイヤライフも長くなって安心して使用することができます。

スペアタイヤの空気圧も点検

忘れがちなのがスペアタイヤの空気圧で、同じようにスペアタイヤの空気も自然に抜けて行きますから定期的に点検し補充することが必要です。

特にスペアタイヤは普通のタイヤよりも高圧に設定されているケースが多いので、点検補充する際には適正空気圧を確認して補充しましょう。

いざ、スペアタイヤを使用するような状況になった際に、空気が抜けてしまいスペアタイヤの使用が出来きないケースはとても多いのです。

※最近ではスペアタイヤを搭載していない車種も増えてますから、スペアタイヤの有無を確認しましょう。

タイヤの空気圧はどこで点検補充できるの?

ガソリンスタンドの画像

タイヤの空気圧を点検補充するためには、専用の工具としてエアーゲージと空気入れが必要ですがそれぞれホームセンターやカー用品店などで販売されており手軽に購入することができます。

使い方も決して難しいものではありませんが、苦手と感じる人も多いかもしれません。

苦手な方はガソリンスタンドなどでも簡単に点検補充が行えますので、ガソリンを入れる際に空気圧を点検してもらうと良いでしょう。

セルフスタンドの場合は、自身で点検補充を行う必要がありますが、簡単に誰でも扱えるように専用の空気入れが備えられているので空気圧を点検することができます。

基本的には自転車に空気を入れる方法と同じなのです。

タイヤの適正空気圧を保つ窒素ガス

新たなタイヤ充填剤として注目される窒素ガス

最近では普通の空気ではなく窒素ガスをタイヤに充填しているケースもあります。
窒素ガスはその性質から、普通の空気よりもタイヤの外へ抜けにくい性質を持っており、空気圧の減少が抑えられる効果があります。

また普通の空気よりも含有する水分量が少ないので、ホイールが錆びないなどのメリットもあります。

タイヤ専門店などで新しくタイヤを購入すると窒素ガスを充填してくれるお店も最近では増えてきており、もし窒素ガスを使用したい場合は、カー用品量販店やタイヤ専門店で取扱いがあるので、近くのお店を調べてみると良いでしょう。

しかし窒素ガスの多くはオプション扱いなので有料充填であることが多いようです。

まとめ

タイヤのエアバルブの画像

タイヤには適正空気圧が車種ごとに決められており、メーカーが指定した適正空気圧を使用して走ることでタイヤ性能を正しく使用し、安全に走行につながります。

1か月に一度はタイヤの空気圧を点検し、適正空気圧を維持する事でタイヤの寿命も伸ばすことができ、タイヤの持つ能力を発揮することができるので安全走行につながります。

空気圧の点検には専用の工具としてエアーゲージが必要になりますので、自宅にエアーゲージなどを購入して常日頃から点検ができることが理想です。

しかし難しい場合はガソリンスタンドなどで点検してもらえますし、セルフスタンドなどでも自分で簡単に点検補充することができます。

タイヤは知らないところで常に頑張って自動車の安全走行を支えていますから、1か月に一度は点検して適正空気圧を管理し、長く大切に使用しましょう。

また窒素ガスを使用することで、空気がタイヤから抜けにくくなるので、窒素ガスを充填するのも有効です。

常日頃からタイヤの点検で適正空気圧を管理し、安全で楽しいドライブをどうぞ。