車のブレーキパッド交換費用は?値切り方法までを解説

車の安全運転に欠かせないブレーキは、車の安全を左右する重要な部品です。

車に詳しくなくても「不具合が起きていないか」を確認する方法や交換の目安も知っておくことが大切です。

  • 車のことはパートナーに任せているのでわからない
  • ブレーキパッドってなに?
  • ブレーキパッドの選び方が知りたい
  • ブレーキがキーキー鳴る。故障?

車のブレーキパッドの基本情報はこの記事を読めば理解できます!

車のブレーキパッドについて、今さら聞けないと感じている方も、車のことは全く分からないという方も誰でもわかるように書いた記事となっています。

ブレーキやブレーキパッドについて知りたい方はぜひ最後まで読み進めてみてください。

ブレーキパッドは安全な運転のために不可欠

車のブレーキは2種類あります。

「ディスクブレーキ」と「ドラムブレーキ」です。

ブレーキパッドは前者である「ディスクブレーキ」に使われている部品です。

車のほとんどはディスクブレーキが採用されています。

(ちなみにドラムブレーキが採用されてるのは軽自動車やコンパクトカーの後ろのタイヤなどです。)

自転車の前のブレーキを思い浮かべてみてください。

ブレーキをかけると、ゴムのパーツが自転車のタイヤを挟んで止まる仕組みになっています。

自転車のブレーキのゴムのパーツが車で言うブレーキパットの役割をしています。

ディスクブレーキが採用されている車が止まる原理も同じです。

車の場合は、ディスクローターと呼ばれる直径25センチ程度の円形の鉄の板がタイヤと一緒に回転しています。

ディスクローターをブレーキパッドで挟んで摩擦の力で止まります。

挟むということは、ブレーキパッドは1本のタイヤに対して内側と外側の2つ付いています。

ディスクローターは車のタイヤから見ることができます。

以下の写真で、ホイールの中に円形の鉄の板が見えますか?

円形の鉄板がディスクローターです。

赤い矢印の先に縦長に付いているパーツは「ブレーキキャリパー」と呼ばれています。

ブレーキパッドはブレーキキャリパーに取り付けて使用します。

ブレーキをかけると、ブレーキキャリパー装着したブレーキパッドがディスクローターを挟んで車が停車します。

そのためブレーキパッドが無ければ車が止まることはできず、大きな事故につながります。

ブレーキパッドを確認する方法

ブレーキパッドを確認する時のポイントは2つあります。

  1. ホイールを外す
  2. ブレーキパッドは内側と外側の2枚が1組になっている

ブレーキパッドを目視でしっかりと確認したい場合、ホイールを外して確認することができます。

ですが、この記事を読んでいる人はホイールを外すこと自体がハードルが高いと感じる方も多いと思います。

慣れている人だと、ブレーキパッドはホイールの穴からのぞき込むと確認できる場合があります。

車の整備士さんだと懐中電灯などで照らして、チェックしてくれたりします。

ちなみに

我が家に停まっていた、日産 エルグランド・トヨタ サイ・マツダ MPVの3台で車にあまり詳しくない人(この場合自身の妻)がブレーキパッドの減り具合をどう判断するかを試してみました。

日産 エルグランドは、車に詳しくない人でもホイールの穴からのぞき込んでブレーキパッドの厚みを確認することができました。

トヨタ サイ、マツダ MPVの場合は詳しい人ならば判断できる程度で、あまり詳しくない人にとっては「正直よくわからない」という感想です。

車種によって確認しにくい場合もありますが、気になる場合は懐中電灯を持って確認してみましょう。

2つ目のポイントですが、ブレーキパッドは内側と外側の2枚1組です。

(もっと言うと、タイヤの左右が1セットになっているため新品を購入すると4枚1組です。)

ホイールの穴からのぞき込んで見えるのは外側だけです。

内側も確認したい場合は、ホイールを外して確認しましょう

外したら、ブレーキキャリパーをのぞき込んで確認します。

ほとんどの場合内側と外側の減り具合は同様ですが、部品の不具合などによって片側のブレーキパッドだけが減る場合があります。

もし片側だけが減る場合は、力が均等に加わるようにするための部品(スライドピン)がうまく作動していない場合があります。

この場合、ブレーキパッドの交換をしただけでは再度同じ現象が起こることになります。

同一の車種で起こっている場合もあるため、お店などで確かめてもらいましょう。

車のブレーキパット交換のサイン最初は異音と警告灯

車のブレーキパッドの交換の最初のサインはブレーキをかけた時の「キー」という異音とブレーキの警告灯の点灯です。

異音か警告灯の片方だけが起こったり、両方が同時の場合もあります。

一定の残量までブレーキパッドが薄くなると、「パッドウェアインジゲーター」と呼ばれる部分が露出してきてディスクローターに当たり、金属が擦れるような「キーキー」という音が鳴るか、ブレーキの警告灯で知らせます。

以下で詳しく紹介していきます。

ブレーキをかけた時に「キー」と異音がする

「キー」という音でブレーキパッドの残量が少なくなっていることを知らせるものは「機械式」と呼ばれています。

国産車に採用されている場合が多いです。

キーキーという音が鳴るようになれば必ず交換をしましょう。

もし、異音を放置していると次に「ガリガリ」という音に変わってきます。

「ガリガリ」という音が鳴り始めるとブレーキが利かなくり、怖くてとても公道を走れる状況ではないでしょう。

そのためブレーキの「キー」音を放置していると大きな事故を招く可能性があります。

ブレーキの警告灯が点灯している

ブレーキの警告灯はサイドブレーキを引いているときに点灯しますが、その他にも点灯する理由があります。

キー音でブレーキパッドの残量が少なくなっていることを知らせる機械式について前述しましたが、高級国産車や輸入車では電子式が採用されているタイプがあります。

その場合、音ではなくブレーキの警告灯で知らせます。


もしくは、ブレーキフルードが減っている場合です。

引用:トヨタ

サイドブレーキを解除しているにも関わらず、赤いブレーキの警告灯が消えないことがあります。

もしくは、走行中の曲がる時や、凹凸のある路面を走る時に警告灯が点いたり消えたりする場合があります。

これはブレーキフルードが少なくなっていることを知らせています。

ブレーキフルードとは、ブレーキのオイルです。

車は油圧式のブレーキが採用されていることがほとんどです。

油圧式ブレーキはドライバーがブレーキをかけるとオイルの力を借りて人の力を増幅させ、止まるように作られているブレーキのことです。

例えば、自転車ならばブレーキは人の力だけで止まりますが、車の場合停まっている車を持ち上げることすら難しいですよね。

車の大きさ、部品の多さ、重量から人の力だけで走っている車を止めることは当然不可能です。

そこで油圧式のブレーキを使って車にブレーキをかけます。

ブレーキフルードの確認方法

ブレーキフルードが確認するポイントは量と色です。

ブレーキフルードはほとんどの車種でボンネットに入っています。

液の色は新品の時は「透明な黄色」です。

その後劣化するにつれて「濃い黄色→茶色→黒」へと変化します。

濃い黄色であればまだ使用できますが、茶色に変色すれば交換時期です。

もし、黒に近いと感じれば劣化しきっているため早急に交換しましょう。

液の量はタンクのMIN(もしくはLOWER)とMAX(もしくはUPPER)の間に液面が収まっていることが適切な量です。

MINを下回るとブレーキフルードのタンクのセンサーが反応して、ブレーキの警告灯が減っていることを知らせています。

もし、警告灯が点灯した場合は整備工場などでブレーキやブレーキパッドに異常がないか点検してもらうようにしましょう。

前回の交換や新品の時から走行距離が5万㎞以上経っている

ブレーキパッドは残量が3㎜程度になれば交換するように定められています。

メーカーによって前後しますが、新品の時の厚みは10㎜ほどありますが、ブレーキパッドは車を使用していると、すり減ります。

ブレーキパッドの減り具合は「1万㎞で1㎜減る」と言われています。

そのため、前回の交換や新車購入時から走行距離が5万㎞程度経てば点検する時期といえます。

確認してみてパッドの残量が5㎜程度なら現状では問題ありませんが、次の車検や点検のタイミングでは交換を検討するようにしましょう。

ブレーキパッドの選び方

ブレーキパッドはカー用品店やネットショップなどで売っています。

新しいブレーキパッドに交換する時の選び方のポイントを紹介します。

  • 車種に合うものを選ぶ
  • 走行の環境に合わせて購入する

車種に合うものを選ぶ

ブレーキパッドを用意する際に一番大切なことは、車の「車種」と「年式」を確認することです。

適合するブレーキパッドの品番がそれぞれ異なります。

ブレーキパッドの品番は、車の取扱説明書に記載されています。

ブレーキパットの品番は箱の側面に記載されていることが多いです。

以下の写真の青い矢印の先を見てみてください。

「5581072J00」と記載されているのがわかると思います。

こちらはスズキ アルトなどで使用されている、一般的なブレーキパットです。

購入する時は品番を必ず確認しましょう。

走行の環境に合わせて購入する

走行中、タイヤと一緒に回っているディスクローターをブレーキパッドが挟んで止めるということは止める時に摩擦熱が発生します。

車の速度が早ければ早いほど、摩擦による熱が高くなることがイメージできると思います。

そのためブレーキパッドを選ぶときは、一般道路を走ることが多いか、高速道路を走ることが多いか、もしくはサーキットなどで走行するかによってどのような素材のブレーキパッドを選ぶかが異なります。

送迎、通勤などで車を使用していて
一般道路をよく走る人におすすめ
ノンアスベストタイプ・オーガニックタイプ
高速道路をよく使用する人におすすめロースチール・セミメタリック
スポーツ走行やサーキット走行を
する人におすすめ
カーボンメタリック

車の速度が速ければ速いほど、ディスクローターを止めるための摩擦熱は高くなります。

そのため、サーキット走行をするような車のブレーキパットには熱に耐えるための鉄などの金属が含まれています。

金属が含まれていると、耐熱性は上がりますが、その分ディスクローターの消耗も上がり、高価になる傾向です。

普通が良いと感じている人は、「ノンアスベストタイプ」を選ぶと良いでしょう。

ホイールの汚れが気になる場合は「低ダストタイプ」というものもあります。

例えば、以下はスズキ アルトなどで使用されているブレーキパットです。

青い矢印の先に「ASBESTOS FREE」と記載があるのがわかると思います。

素材のタイプなどはパッケージに記載されていることも多いので確認して購入しましょう。

ブレーキパットの交換は自分でできる?

ブレーキパットの交換方法は、インターネットで調べれば出てきます。

そのため、自分で出来るのではないかと感じる方もいると思います。

ですが、自動車整備士並みの知識や技術がない限りは業者に依頼しましょう。

ブレーキパッドの交換は道路運送車両法の特定整備に当たります。

特定整備は、地方運輸局長の認証を受けた整備工場以外では認められていません。(参考:e-GOV法令検索 道路運送車両法第78条

ですが、道路運送車両法第47条では、「車の所有者は必要に応じて点検・整備をしなければならない」ともされています。

そのため、車の所有者なら、ブレーキパッドの交換を自分で行うことが可能といえます。

「車の所有者」とされているため、整備の資格のない人が友人など他人の車のブレーキパッドの交換はすることができません。

ブレーキは車の性能に関わる大変重要なパーツです

ブレーキパッドの交換を自分で出来るのは、自動車整備士並みの知識と車のメンテナンスに慣れている場合だけです。

繰り返しになりますが、自動車整備士並みの知識や技術を持っていない限り、業者に依頼することがおすすめです

作業に少しでも不安がある場合は必ず業者に依頼しましょう

ちなみに、自分で交換をするときの流れは以下のような流れです。

  1. 必要な工具を用意し、ホイールを外す
  2. 古いブレーキパッドを外して、新しいブレーキパッドを取り付ける
  3. ブレーキフルードの補充と空気を抜く
  4. ホイールを取り付ける
  5. ブレーキの動作チェックと試運転をする

ブレーキパッドの交換費用と車を預ける時間

ブレーキパッドの交換はディーラーやカー用品店、車の修理や整備工場などに依頼することができます。

ブレーキパッド交換の作業時間は30分~1時間程度

どこへ依頼する場合も作業自体の所用時間は、30分~40分程度でしょう。

もしブレーキフルードも一緒に交換する場合は1時間程度必要です。

ただしこの作業時間はプロに依頼した場合です。

店舗の混雑具合で預ける時間が異なります。

事前に予約ができる場合は確認して予約する方がスムーズなケースが多いです。

ブレーキパッドの交換費用

ブレーキパッドの交換費用は、11,000円~15,000円程度かかります。

ブレーキパッドは4枚1組で販売されています。

片側のタイヤに2枚ずつ使用するので、左右のタイヤの分で4枚となります。

どの店舗でも【部品代(ブレーキパッド代)】+【工賃】が必要です。

ブレーキパッドの交換は片側が減っていれば反対側も同様にすり減っているケースが多いため、左右セットで交換することがほとんどです。

ブレーキパッド本体はしようする品物によって異なりますが、だいたい6000円程度~販売されています。

ただしミニバンやSUVなどの重量が重い車両や、高級車やスポーツカーなどブレーキ性能も高いものが求められる車両はブレーキパッドも高価になる傾向です。

工賃は片側5000円程度~が目安です。

ブレーキパッドの交換について、依頼する場所、費用の詳細、費用の抑え方などについて詳しく知りたい場合は以下の記事も参考になります。

ブレーキパッドの交換費用を安くする方法

ブレーキパッドの交換を少しでも安く抑えたいと考えた時に以下のような方法があります。

  • ディーラーではなくカー用品店や修理工場などで依頼する
  • ブレーキパッドを自分で購入する
  • 車検や点検の時に依頼する

ディーラーではなくカー用品店や修理工場で依頼する

ブレーキパッドの交換だけに限らず、車の整備全般に言えることですが、修理費用は「ディーラー>カー用品店 or 車の修理工場」といえます。

ただ、カー用品店や修理工場ではお店によって修理費用は様々です。

もし、安く済ませたいのであれば相見積もりを取ることも検討しましょう。

特にカー用品店は週末修理依頼が多く混み合っていることも多く、作業時間よりも待ち時間の方が長くなってしまう可能性があります。

予約ができるのであれば、事前の予約を利用しましょう。

ブレーキパッドを自分で購入する

ブレーキパッドを自分で購入し、部品を修理工場などに持ち込んで交換を依頼する方法です。

この方法は、持込部品を受け付けてくれる修理工場だけに依頼できます。

少なくともディーラーでは受け付けてくれる可能性は低いです。

車検や点検の時に併せて依頼する

ブレーキパッドを交換する時にはジャッキで車体を上げたり、リフトアップしてタイヤを外す作業を行います。

車検や定期点検の時にも同様の作業を行うため、ブレーキパッドの交換だけを依頼するよりも車検などと一緒に依頼する方が工賃が抑えられるケースがあります。

車検や定期点検の時期とブレーキパッドの交換時期が近ければ、一緒に依頼することがおすすめです。

まとめ

ブレーキパッドはディスクブレーキが採用されている部品です。

ブレーキパッドの交換のサインは「キー」という音やブレーキの警告灯が点灯したときです。

目視したい場合は、タイヤのホイールの間からブレーキパッドを確認できます。

ブレーキパッドの交換費用を抑えたい場合は、ディーラーではなくカー用品店や修理工場に依頼します。

車検や定期点検のタイミングで一緒に交換を依頼すれば費用が抑えられる可能性が高いです。