自動車を手放すタイミングを診断できる5つのチェックポイント

この記事では車を手放すことを考えている人向けに、車を手放す時の流れや手続き、メリットデメリット等車を手放して本当に後悔しないように、様々な可能性を考えて、手放した後の生活を一緒に考えてみましょう。

  • 車って手放す方が得?
  • 車のない生活はどれくらい節約できる?
  • 車はいつ手放せばいい?

車を手放すタイミングについての疑問、この記事で全て解決できます!

この記事を書いている人
  • 現役の車の査定士
  • 現在、廃車買取専門店「ロマリアオート」として独立
  • これまでに買取した車は車は口コミで3000台以上!

車を持たない生活や新しい車に乗る生活を想像しよう!

車を所有している人にとって、車を持たない生活は不安に感じるかもしれません。

まずは車を手放すメリットとデメリットや車を手放して後悔する人と後悔しない人について考えていきましょう。

車を手放すメリット

車を手放すメリットには以下のようなものがあります。

  • 車の維持費が節約できる
  • 車の売却で臨時収入が入る
  • 事故のリスクを減らせる
  • 健康の維持につながる

金銭面で節約できるケースがほとんどです。

車の維持費が節約できる

車の維持費は軽自動車と普通自動車・住んでいるエリアによって大きく異なります。

車の維持費は以下の表を参考にしてみてください。

1か月の維持費1年の維持費
軽自動車都内¥51,225
全国¥27,726
都内約¥614,700
全国¥332,700
普通車都内¥58,760
全国¥35,261
都内¥705,124
全国¥423,136
引用サイト:SBI損保

※上記の表はガソリン単価が128円で計算されているものです。
2023年11月時点でガソリン平均価格は169円のため1年間の維持費は軽自動車で約27,300円、普通車で約34,100円アップします。

特に駐車場代は住んでいる地域によって大きく異なります。

車の維持費の内訳は車の購入代金を除いた金額で、税金や保険料、燃料代、車検代等です。

もし車を手放した場合、当然のことながら前述した費用がかかることはありません。

そのため車を手放すことは金銭面で毎月とても節約できることになります。

車の売却で臨時収入が入る

車を手放す場合、買い替えではないため依頼するのは中古車販売店や車の買取専門店になります。

売却した場合、売却したお金が臨時収入となります。

特に事故をしてしまった場合や、エンジンなどの不調で不動車になった車や放置車両でも廃車買取専門店であれば思った以上の価格で買い取ってくれるケースが多くあります。

また、売却時期によって、車両代以外にも税金や保険料の還付金を受け取れる場合があります。

事故のリスクを減らすことができる

車の事故は自分がどんなに気を付けても、停車中に相手がぶつかって事故が起こる場合があります。

また、自分が事故を起こした場合は、多額の賠償金を支払う可能性もあります。

車を手放し、そもそも運転しなければ自分が事故を起こすリスクを格段に減らすことができます。

健康の維持につながる

車を手放すと、歩く機会や自転車に乗る機会が多くなり、遠くに出かける時にはバスや電車などの公共交通機関を利用することになります。

車を所有していた時よりも、日常的に歩いたり、体を動かすことが多くなるため運動不足の解消となり健康の維持につながります。

歩く機会が増えると、今まで目に留めることがなかった発見が多くあり、清々しい気持ちになるでしょう。

車を手放すデメリット

車を手放すデメリットは以下のようなことです。

  • 移動に時間がかかる
  • カーシェアやレンタカー等を借りる手間が増える
  • 場合によっては手放す前よりお金がかかる
  • 送迎が大変
  • 外出が天気に左右される

車を手放すデメリットは、手間や不便さにつながります。

移動に時間がかかる

都市部では公共交通機関+徒歩や自転車を利用する方が車で移動するよりも早いケースは多いです。

ですが、それ以外のエリアでは車を利用する方が断然早いケースが多いでしょう。

時間=コストとして考えた場合、移動時間がかかることはマイナスです。

カーシェアやレンタカー等を借りる手間が増える

カーシェアやレンタカーが普及し、利用はしやすくなっているとはいえ、マイカーのような感覚で利用できるのはまだまだ都市部だけです。

カーシェアのステーションは駅まで行けばあるケースが多いですが、駅までの道のりが遠い場合は利用はしづらさがあります。

場合によっては手放す前よりお金がかかる

車を手放した場合、買い物や病院など日常的に車を利用していたことが、電車やタクシーなどに変わります。

レジャーへ行く場合もレンタカーを借りることになるでしょう。

1か月に数回や、近い距離の移動であれば問題ないはずですが、通院している病院が遠い場合や、子供の習い事などの送迎が遠い場合は使用頻度によっては、車があった方が安く済む場合もあります。

送迎が大変

子供の習い事などを車で送迎している人は、車が無いと不便さを感じるかもしれません。

また車の移動であれば、子供との会話を移動時間にしている人も多いと思いますが、仮に自転車への送迎に変えた場合ゆっくり会話することが難しくなるでしょう。

自転車の場合は会話が風などの外の音にかき消されるため、落ち着いて会話することは難しくなります。

車であれば、家のようにプライベートなスペースが確保できますが、公共交通機関を利用する場合も異なります。

外出が天気に左右される

車を手放した場合、外出は天気によってとにかく左右されます。

雨が降った場合、電車やバスの待ち時間に傘をさして待っていないといけない場合があります。

日常の買い物などならば、外出をやめればいい話ですが、病院の予約や子供の定期検診など、キャンセルができない場合もあります。

車なら少々の雨風は苦になりませんが、車以外の場合はカッパの着脱や服装にも気を遣うことになります。

子供連れの場合は、雨で荷物が増えたり、いつもは存在しない水たまりに子供が喜んだり、子供のテンションとは反対に大人が疲れ切ってしまうことがあるでしょう。

車を手放すことが向いている人・向いていない人

前述したメリット、デメリットを踏まえて車を手放すことが向いている人と向いていない人について考えてみます。

使用頻度が低い人は車を手放すことに向いている

そもそも車の使用頻度が少ない人は、手放すことが向いていると言えます。

月に数回程度しか乗らない場合はレンタカーやカーシェアを利用すれば解決するはずです。

また、趣味などで複数台車を所有している場合も手放しても困ることはないでしょう。

日常的に使用している人は車を手放すことは要注意

車を通勤などに使用している人は、車を手放すことは注意が必要です。

自転車での通勤に切り替えるとしても、雨や風等の中自転車で通勤することは大きなストレスとなるでしょう。

また、電車やバスで通勤する場合も車なら自分だけの空間ですが、公共交通機関を利用するようになると周りの目が気になり身なりに気を遣うことも出てくるでしょう。

どちらの場合も慣れるまでがストレスかもしれません。

公共交通機関が整ってない地域が生活圏の場合は、車を手放すことで生活に制限がかかってしまう場合があります。

買い物や通勤、病院などへの移動が不便になってしまうため、手放す時には注意が必要です。

車を手放すタイミングを診断する5つのチェックポイント

車を手放すタイミングをチェックするポイントは以下の5つです。

  1. 車検前
  2. 自動車税の課税前
  3. 走行距離
  4. モデルチェンジ前
  5. 生活環境の変化

5つのポイントを詳しく解説していきます。

1.車検前

車を所有している場合、車検が必要です。

新車で購入した場合1回目の車検は3年後に行い、その後は2年毎に行います。

受けるたびに車検費用は必要で車種や業者によって5万円~10万円前後です。

車を手放すと決めた場合に、車検までの期間が長く残っている方が査定金額が高くなるのでは?と考える人もいます。

実際多少の査定額アップはあります。

ですが、車検代を上回る金額ではありません。

車検の前に車を手放すだけで、車検代の5万円~10万円が浮くので、車検を通す前に車を手放すことがおすすめです。

だからといって車検が切れてから手放すと、査定のマイナスポイントとなる場合があります。

出張査定を依頼しても、車検が切れていると引き取る時に公道を走ることができません。

そのため、積載車等の手配が必要になる場合があります。

車検が切れる3か月ほど前を意識すると損せずに車を手放すことができるでしょう。

2.自動車税の課税前

自動車税は毎年4月1日の時点で車を所有している人が、1年分を先払いします。

そのため3月中に車を手放していれば翌年の自動車税を支払わなくて済みます。

車を手放せば、手放した翌月分から翌4月までの自動車税は月割りで返還されますが、自動車税の支出は大きいため、出費を抑えたい人は3月中に車を手放すことがおすすめです。

ちなみに、自動車税の還付があるのは普通車だけです。軽自動車は自動車税の還付はないため注意しましょう

3.年式・走行距離

車の年式と走行距離は車の売却に大きく関係します。

車は年式が10年、走行距離が10万㎞を超えると買取相場が下がる傾向にあります。

そのため、車を手放すことを検討している場合は、超える前に売却する方がお得です。

定期的に車を乗り越えている人であれば、年式が5年、走行距離が5万㎞を超える前に売却しましょう。

4.モデルチェンジ前

車種によって、買取金額に大きく影響するのが車のモデルチェンジです。

モデルチェンジには2種類あります。

「マイナーチェンジ」と呼ばれる1~2年毎に行われるものと、「フルモデルチェンジ」と呼ばれる5~10年以内程度で行われるものです。

買取価格に影響が大きいのはフルモデルチェンジです

売却を予定している車が現行モデルなら、先代モデルになる前に売却を依頼する方が高値で売れる可能性があります。

ただし、モデルチェンジの直前になると先代モデルの買取相場が下がることがあります。

これは、新モデルへの買い替えで手放す人が増えるためでしょう。

そのため、フルモデルチェンジが発表されれば売却先を探し始めることもおすすめです。

5.生活環境の変化

都市部を除けば、自動車は生活必需品と言っても良いほど移動手段には欠かせないものです。

車の売買には手間はかかりますが、ライフイベントに合わせて車を変えることは、無駄な出費を抑えることにつながります。

例えば、結婚や出産で家族が増えると、車に乗る人の数だけでなく荷物の量も考えることが必要です。

特に、子供が小さい間はチャイルドシートやベビーカーなどの大型の荷物だけでなく手荷物が驚くほど増えます。

そのためミニバン以上のサイズが便利になります。

そして子供が独立等をして人数が減れば、軽自動車やコンパクトカー等の方が税金や燃費の面で経済的です。

また運転する時も小回りが利くので便利になります。

本当は言いたくない!車を売ると損する時期

車の買取を扱っている業者なら、車の買取依頼はいつ依頼をいただいても嬉しいものです。

ですが、車を手放すと損するタイミングがあります。

車を手放してはいけない時期について正直にわかりやすくお話しします。

車を手放して損するタイミングは以下の2つです。

  • 4月
  • 車検後・修理後

4月

自動車税は毎年4月1日に車を所有している人が1年分を先払いします。

払い過ぎた自動車税は還付金として買取店が査定額に含めてくれることは多いですが、手元に車がないにも関わらず自動車税を納めなければなりません。

特に軽自動車の場合は、還付がないため4月に手放すと損をします。

修理後・車検後

車検後に手放すと損をするというお話を前述しましたが、車を修理した後も手放すと損をします。

車検に通してからや、修理してきれいにした後の方が高く売れるのでは?と考える人もいると思います。

ですが、車検費用や修理費用を上回るほどの査定額のアップにはつながりません。

車を手放すことを検討している場合は、車検前に手放し、車に損傷があっても修理せずに査定を依頼しましょう。

車を手放して戻るお金と支払うお金

車を売却すると大きな金額が動くことがあります。

車を手放して戻ってくるお金と支払うお金について解説していきます。

戻ってくる税金

車を手放そうと考えているのなら、税金面だけを見れば早い方がお得です

なぜならば、支払ったお金が月割りで還付されるためです。

還付される可能性がお金は、「自動車税」「自賠責保険」「自動車重量税」です。

自動車税は、前払いしている1年分の自動車税を手放した月の翌月分から月割で計算して変換されます。

3月に手放した場合自動車税の還付金はありません。

自賠責保険は、車検の時などに前払いした3年もしくは2年分を手放した月の翌月分から月割りで計算して返還されます。

還付金の支払い方法は、車の買取店によって異なります。

買取金額に自動車税を含めて買取をしてくれる店と、買取金額と別に還付が戻る手続きをしてくれる店に分かれます。

どちらにせよ還付金相応の金額が戻ってきますが、料金が提示された時に還付金を含めて提示されているか否か不明な時があります。

そのため、金額の内訳を確認することが大切です。

自動車重量税の還付金は永久抹消の場合しか、返還がありません

支払う税金

車を売却したときに所得税等が気になる人もいますが、日常生活に必要な車を手放して税金を支払うケースはほとんどありません。

もし、税金を支払うとすればポイントは2つあります。

  • 車の使用用途
  • 売却によって50万円以上の利益が出た場合

車の使用用途が、黒ナンバー等の「業務用」もしくは趣味などの「レジャー用」かつ50万円利益が出た場合は所得税の対象になる場合があります。

ただし、車の売却価格が購入した時の価格を上回ることは珍しいため、税金を支払うケースはほとんどありません。

詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。

車を手放す手続きと流れ

車を手放す時は以下のような流れで行われます。

  1. 車の買取店を選ぶ
  2. 査定、金額提示
  3. 成約すれば必要書類を揃える
  4. 車の引き渡し
  5. 入金の確認

車の買取店を選んだら、査定をしてもらいます。

査定当日に金額が提示されるので、納得すれば成約しましょう。

成約すれば、車を手放すために必要な書類などの説明があるため書類を揃えます。

車の引き渡し時に必要書類を一緒に渡して、入金を確認しましょう。

もし、入金が遅れている場合は、買取店の事務的なミスやそもそも振込口座を伝え間違っていた等のケースもあります。

担当者に確認しましょう。

売却を急いでいる場合は、査定の時に必要な書類を揃えておくという手段もあります。

必要な書類は以下の通りです。

普通車「自動車検査証(車検証)」「自動車リサイクル券」「自賠責保険書」「自動車納税証明書」「実印」「銀行口座の情報」「実印の印鑑登録証明書」「譲渡証明書」「委任状」
軽自動車「自動車検査証(車検証)」「自動車リサイクル券」「自賠責保険書」「自動車納税証明書」「印鑑(認印で良い」「銀行口座の情報」「「自動車検査証記入申請書」」

普通車の譲渡証明書と委任状、軽自動車の自動車検査証記入申請書は買取店が用意してくれます。

詳しく知りたい方は以下も参考にしてみてください。

車を手放す時の注意点

車を手放す時に注意したいことを2つお伝えします。

  • 車を乗り換える場合は納車時期を確認しましょう
  • 業者選びは慎重にしましょう

乗り換えの場合は納車時期を確認

言うまでもありませんが乗り換える場合は、新しい車の納車予定は必ず確認しましょう。

車を手放すために査定を依頼し、成約から引き取りまでは1週間ほどで完了することがほとんどです。

人気車種の納車が半年から1年後ということも起きています。

原因は世界情勢の影響で半導体が不足し、車の製造が遅れたり、納車時期が伸びていることです。

売却をする時期やタイミングを考慮しすぎて、新しい車が納車されるまでにタイムラグができ、不便さを感じてしまうと本末転倒です。

車が必要なのに手放す期間が長くなると、代車やレンタカー代などで余計な出費が出てくることも考えられます。

新車に乗り換える場合は、特に納車時期を確認しましょう。

買取業者選びは慎重に

車を買取する場合、ある程度の相場があります。

買取相場は車種・年式・走行距離を中心に車の状態や時期(何月に売却するか)やタイミング(車検の残り期間等)によってだいたい決まっています。

ですが、買取業者によって求めている車が違うので同じ車でも買取価格は上下します。

車の買取については、多くの記事で相見積もりを取って価格を競わせましょうと書かれています。

確かに少しでも高く売りたいのであれば、手間はかかりますが複数の買取業者に査定を依頼することも手段の一つです。

一括査定ならば一度の情報入力で複数社への申し込みが可能ですが、各社が出張査定のアポイントを取るために3日ほどは電話やメールが鳴りやまなくなることも想定しておきましょう。

以下の記事は廃車買取業者に焦点を当てた業者の選び方ですが、車の手放す時の業者選びについては参考になる部分が多くあります。

ですが、本当は教えたくない選び方のため読まないでください。

まとめ

車を手放す場合、特に軽自動車は4月に売却すると税金の面なので損することになります。

車を手放すタイミングを決めるポイントは、「車検前・修理前」、「年式・走行距離」、「モデルチェンジ」、「生活環境の変化」です。

時期(何月に手放すか)よりも、タイミングを優先して手放しましょう。

また、車を買い替える場合は納車時期を必ず確認しましょう。